胃潰瘍は、胃酸(食べ物を粥状に消化するために分泌)が何らかの原因によって胃粘膜まで消化してしまい、胃壁がただれて傷つき、ひどいときには筋肉までえぐりとってしまった状態です。
症状の三大特徴は、痛み、出血、酸が出すぎることにより起こる症状といわれます。 治癒と再発を繰り返す潰瘍は、ピロリ菌感染による影響も指摘されています。
健康な胃は、胃酸から胃を守るために粘液を分泌して胃粘膜の表面を覆っています。
通常、胃酸と胃粘液はバランスがとれていますが、過労やストレスなどで自律神経の働きが乱れると、胃酸と胃粘液のバランスがくずれて胃酸が多すぎる状態となり、その結果、胃酸が胃の粘膜を傷つけて潰瘍ができます。
また、脳や肺、肝臓などの慢性病や、解熱消炎鎮痛薬、降圧剤などを継続して服用していると胃酸過多な状態になり、胃潰瘍の起きる原因になることもあります。
内視鏡検査で潰瘍が見つかった場合には、がん細胞がないか直接組織をとって調べます。
がん細胞がなければ、ほとんどは胃酸を抑える薬と食事療法を 含む生活指導で治療します。最近は出血をおこしている場合にも効力を発揮する強力な薬がありますので、かつてのように入院や手術の必要な患者さんは減ってきています。
しかし、胃に穴があいてしまった場合は、手術が必要になります。
また、ピロリ菌感染が原因の場合は、医師の処方に従った薬剤の服用により除菌を行うことが可能です。